いびき・睡眠の悩み

睡眠中にうなるのはストレス?いびきとの違いと受診の目安

睡眠中にうなるのはストレス?いびきとの違いと受診の目安

先に大切な注意点です。

この記事は、健康や睡眠についての一般的な情報をまとめたものです。医療行為、診断、治療、専門的な助言を目的としたものではありません。

睡眠中に呼吸が止まる、息苦しそうにする、日中の強い眠気が続く、起床時の頭痛がある、運転中に眠気を感じるなど気になる症状がある場合は、音の種類だけで自己判断せず、医療機関へ相談してください。

家族やパートナーから、「寝ているとき、いびきというよりうなっているよ」と言われたら、ちょっと心配になりますよね。

自分では寝ているので分からないし、「疲れているだけ?」「ストレスが原因?」「これもいびきなの?」と気になって検索した方もいるのではないでしょうか。

睡眠中の「うなるような音」と「いびき」は、同じとは限りません。また、ストレスが重なっている時期にいびきが目立つことはありますが、「うなる=ストレスが原因」と決めつけることもできません。

この記事では、睡眠中のうなり声といびきの違い、ストレスとの考え方、自宅で確認しておきたいポイント、医療機関へ相談する目安を順番に整理します。

睡眠中にうなる音は「いびき」とは限らない

まず確認しておきたいのは、寝ている間に聞こえる音をすべて「いびき」と考える必要はないということです。

一般的ないびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、喉などの組織が振動することで生じる音です。一方、「うー」「んー」と声のように聞こえる音には、寝言など別の現象が含まれることもあります。

気になる音 聞こえ方の例 確認したいこと
いびき グー、ガー、ゴーなど 音が続くか、途中で呼吸が止まっていないか
うなり声のような音 うー、んー、と声のように聞こえる 息を吐くときか、会話のような寝言か、頻度はどうか
呼吸が乱れる音 静かになったあと急に大きく息をする、あえぐような音 呼吸停止や強い日中の眠気がないか

家族から「うなっている」と言われただけでは、どのタイプなのか判断できません。まずはどんな音なのか、呼吸の様子はどうなのかを分けて考えるのがポイントです。

「カタスレニア」と呼ばれる睡眠中のうなり声もある

睡眠中に長く息を吐きながら、うなるような声を出す現象として、カタスレニア(睡眠関連うなり声)と呼ばれるものが知られています。

研究では、カタスレニアの音はいびきとは異なる特徴を持つことが報告されています。ただし、一般の人が録音した音だけを聞いて「これはカタスレニアだ」と判断することはできません。

睡眠中の音にはさまざまな原因があるため、毎晩続く、本人や家族が困っている、呼吸の異常も疑われるといった場合は、睡眠を扱う医療機関などへ相談するのが安心です。

睡眠中にうなるのはストレスが原因?

「最近仕事が忙しい」「強いストレスが続いてから寝ているときの音が変わった」というケースもあるでしょう。

厚生労働省の睡眠に関する資料でも、強い疲労や精神的なストレス、飲酒などが重なったときに、いびきをかきやすくなる場合があることが紹介されています。

ただし、ここで注意したいのが、ストレスがあるからといって、睡眠中のうなり声やいびきの原因がストレスだけとは限らないということです。

特に、強いいびきや呼吸停止がある場合は、「最近ストレスが多いから」と片づけない方がよいでしょう。

ストレスと一緒に生活習慣が変わっていないかを見る

ストレスが強い時期には、睡眠時間が短くなったり、お酒の量が増えたり、生活リズムが乱れたりすることもあります。

特に飲酒は睡眠中の呼吸に影響することがあるため、「ストレスそのもの」だけを見るより、最近の生活全体に変化がなかったか確認する方が実用的です。

  • 最近、睡眠不足が続いていないか
  • 寝る前のお酒が増えていないか
  • 体重が大きく変化していないか
  • 鼻づまりなどで鼻呼吸しにくくなっていないか
  • いびきやうなり声が以前より明らかに増えていないか

一つの原因に決めつけず、「最近何が変わったか」を整理してみることが大切です。

「うなる・いびき」が気になったら確認したい5つのこと

寝ている本人には音が分かりにくいため、同居している人がいる場合は様子を聞いてみると参考になります。

1.どんな音なのか

「ガーガー」といういびきなのか、「うー」と声のように聞こえるのか。それとも両方あるのかを確認します。

スマートフォンなどで短時間録音しておくと、後から状態を整理しやすくなります。ただし、録音だけで病気を診断することはできません。

2.音が突然止まることがないか

大きないびきが続いたあと急に静かになり、しばらくして大きく息をするような様子がある場合は、呼吸の状態も確認したいところです。

睡眠時無呼吸症候群では、習慣的ないびきに加えて、睡眠中の呼吸停止やあえぐような呼吸がみられることがあります。

3.朝や昼間に症状がないか

夜の音だけでなく、起きている時間の状態も重要です。

  • 十分寝たはずなのに強く眠い
  • 朝起きたときに頭痛がする
  • 口や喉が強く乾いている
  • 仕事中に眠気で困る
  • 運転中に眠気を感じる

こうした症状がある場合は、単なる「音の悩み」として終わらせず、医療機関への相談も考えてください。

4.いつから始まったか

以前からずっとある音なのか、最近になって急に始まったのかもメモしておきましょう。

「仕事が忙しくなった時期」「飲酒が増えた時期」「鼻づまりがひどくなった時期」などと重ねてみると、医療機関へ相談するときにも状況を伝えやすくなります。

5.毎晩なのか、ときどきなのか

疲れた日だけなのか、ほぼ毎晩続いているのかでも状況は違います。

音の種類、頻度、呼吸の様子、昼間の状態を数日分だけでも記録しておくと、「何となく不安」という状態から一歩整理しやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群も「ストレスのせい」で済ませない

いびきで特に確認しておきたいのが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。

日本睡眠学会では、睡眠時無呼吸症候群でみられる症状として、睡眠中の習慣的ないびき、呼吸中断、あえぐような呼吸のほか、起床時の喉の乾燥や頭痛、日中の眠気などを挙げています。

厚生労働省の情報でも、ひどいいびきや睡眠中の呼吸停止がある場合には、専門の医療機関で検査・治療を受けることの重要性が示されています。

こんな様子があれば相談を検討

  • 家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と言われる
  • 大きないびきが続いている
  • 睡眠中にあえぐ、苦しそうに呼吸する
  • 日中に強い眠気がある
  • 朝の頭痛や強い疲労感が続く
  • 運転中にも眠気を感じる

特に運転中に強い眠気が出る場合は、安全にも関わります。睡眠の問題を我慢せず、早めに医療機関へ相談してください。

今日からできるのは「治そうとすること」より「状態を確認すること」

睡眠中のうなり声が気になると、すぐに「どうすれば止められる?」と考えたくなりますよね。

でも、音の正体が分からない段階では、自己流の対策をいくつも試すより、まず状態を整理する方が先です。

  1. 家族に音と呼吸の様子を聞く
  2. 可能なら数日だけ音を記録する
  3. 飲酒や睡眠時間など、その日の条件をメモする
  4. 朝や昼間の眠気・頭痛・疲労感も確認する
  5. 気になる症状があれば医療機関へ相談する

また、寝酒の習慣がある場合は、睡眠のためにお酒を増やすのではなく、控えめにすることも検討してみてください。

よくある質問

ストレスで睡眠中にうなることはありますか?

「ストレスが原因で必ずうなる」とは言えません。ストレスや強い疲労がある時期にいびきが目立つ場合はありますが、うなり声にはいびき以外の現象も含まれます。ストレスだけで原因を決めつけず、音や呼吸の状態を確認してください。

うなり声といびきはどう見分ければいいですか?

いびきは気道が狭くなったときに生じる呼吸音であるのに対し、うなり声には声のように聞こえるものもあります。ただし、自宅で完全に見分けるのは難しいため、呼吸停止などがある場合は音だけで判断しないことが大切です。

睡眠中にうなるだけなら放っておいて大丈夫ですか?

一時的な音だけで健康上の問題があるとは限りません。ただ、頻繁に続く、本人や家族の睡眠を妨げる、呼吸停止や日中の強い眠気などを伴う場合は、医療機関へ相談してください。

「うなる=睡眠時無呼吸症候群」ですか?

いいえ。うなり声だけで睡眠時無呼吸症候群と判断することはできません。睡眠時無呼吸では、強いいびき、呼吸停止、あえぐような呼吸、日中の強い眠気などがみられることがあります。気になる場合は医師による評価が必要です。

録音アプリで原因まで分かりますか?

録音は「どんな音が、いつ出ているか」を確認する参考にはなりますが、録音だけで病気を診断することはできません。受診する場合に、録音した日時や生活状況と一緒に医師へ伝えるための参考資料として考えるとよいでしょう。

まとめ|睡眠中の「うなる」をストレスだけで決めつけない

睡眠中に「うー」とうなるような音が聞こえても、それがそのまま一般的ないびきと同じとは限りません。

また、ストレスや疲れが強い時期にいびきが目立つことはありますが、「ストレスが原因だから大丈夫」と自己判断しないことも大切です。

まずは、どんな音なのか、呼吸が止まっていないか、日中に強い眠気などがないかを確認してみてください。

特に、強いいびき、睡眠中の呼吸停止、あえぐような呼吸、起床時の頭痛、日中の強い眠気などがある場合は、睡眠外来、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などへの相談を検討しましょう。

参考にした主な情報

  • 厚生労働省・健康日本21アクション支援システム「睡眠時無呼吸症候群 / SAS」
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」関連資料
  • 日本睡眠学会「睡眠障害の基礎知識」
  • 睡眠関連うなり声(カタスレニア)に関する睡眠医学研究